高齢者の方に多いお口のトラブルについて|三重県松阪市の歯医者「医療法人もみの木歯科」

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高齢者の方に多いお口のトラブルについて

高齢者の方に多いお口のトラブルについて

医療法人もみの木歯科 院長村田幸一朗 監修

前回のブログでもお口の中の老化と認知症予防についてお話しをしましたので、

今回も関連した内容で高齢者の方に多いお口のトラブルについてお話しをしていきますね。

まず高齢者の方に多いお口の中の環境についてお話しをしていきます。

高齢者の方のお口の環境は若年層とは違う特徴があります。

 

例えば

歯 →すりヘリが起き、もろくなる

歯茎→歯茎が痩せて歯との隙間が空き、食物がつまりやすくなること

入れ歯装着している方だと歯茎がやせて入れ歯の安定感が悪くなる

唇 →弾力性がなくなる、口を開けにくくなることや荒れやすくなるなどがあげられます。

加齢により身体機能が低下するため、さまざまな症状が見られて、

高齢者の口腔環境にどのような症状が見られるか説明をしていきます。

  • 自浄作用や唾液分泌の低下

加齢が進みますと、自浄作用や唾液分泌が低下していきます。

自浄作用とは、舌や粘膜についた細菌を唾液で洗い流し、口の中を清潔に保つ機能になりますが、加齢により唾液の分泌量が減少するため、自浄作用が弱くなります。

自浄作用が弱くなることで、食べた物が口の中の残りやすくなり、色々な病気の原因となることもあります。

 

  • かぶせ物や詰め物

たとえば自浄作用の低下で食物残渣が口腔内に残り、齲蝕・歯周病にかかりやすくなり、

そのため、歯の治療を重ねることが多くなり、被せ物や詰め物が多く見られるようになります。

このような高齢者の口腔環境から起こりうる、口腔環境のトラブルや病気について説明をします。

口腔機能低下症

口腔機能は以前にもブログにも記載させていただいていますので

そちらをご覧くださいね。

 

咀嚼障害や摂食・嚥下障害

「ものを食べる」ことは、「食べ物を口に入れて、噛み、飲み込む」という動作によって行われて、このうち「飲み込む」動作に障害が起きている状態を「嚥下障害」と呼びます。

嚥下障害には、以下の症状が現れます。

・食事中にむせる

味噌汁やお茶などの水分を飲むときに、むせることが多くなり、飲食物だけではなく、

自身の唾液でも咳き込むこともあります。

 

・固形物を噛んで飲み込めなくなる

硬い食べ物はよく噛まないと飲み込めないため、噛まずに食べられる麺類などを好むようになっていき、食べる物が偏ると、栄養が偏ってしまいます。

 

・最後まで食べきれない

時間をかけて咀嚼を行うため、食事に時間が掛かるようになり、食べることに疲れてしまい、食事を食べきれないこともあります

 

このような症状が嚥下障害に現れます。

ドライマウス(口腔乾燥症)

ドライマウスとは、慢性的な口の渇きを訴える症状になります。

ドライマウス自体は病名ではありませんが、「唾液が出にくい」「口が乾いている」と自覚する症状のことを言います。

原因としては加齢や薬剤の影響、糖尿病、ストレスなどが挙げられます。

 

ドライマウスの症状には

・口が乾く

 

・口臭が気になる

 

・喋りづらくなる

 

・食べ物が飲み込みにくくなる

 

・味覚がわからなくなる

 

・醤油や酸味などがしみる

・よく水を飲む

 

・夜間に水を飲むために起きるなどあります。その口臭や歯周病、虫歯などの病気の原因となります。

 

睡眠時無呼吸症

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まったり、浅くなったりする病気になります。

「睡眠中、呼吸が10秒以上止まる」「1時間あたり5回以上の無呼吸、もしくは呼吸が弱くなる低呼吸が発生している」場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

症状は次のとおりです。

・寝ている間に激しいいびきを伴う

 

・日中も眠気を感じ集中力が低下する

 

・起床時に疲れが取れていない など

 

歯科医院でできる治療として、無呼吸用のマウスピースがあります。

無呼吸用のマウスピースとは下顎を上顎よりも前方に出るようにマウスピースで固定し、いびきや無呼吸を改善していく治療方法です。

 

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、病原性細菌を誤嚥することで発症する肺炎になります。

食べ物を飲むことを「嚥下」といい、嚥下時に口腔内の異物や雑菌が肺に入り込むことを「誤嚥」といいます。

異物を吐き出す気管支の機能が低下しているため、高齢者は病原性細菌を誤嚥しやすくなっているのです。

 

誤嚥性肺炎を防ぐには、口腔ケアが有効になります。

口腔ケアで病原性細菌を防いでいれば、食べ物を飲み込んでも病原性細菌が肺に入る可能性が低くなります。

 

認知症

認知症は「物忘れ」や「徘徊」をはじめ、生活に様々な支障がでている状態になり、

認知症は正式な病名ではなく、まだ病名が決まっていない“症候群”です。

つまり医学的には、まだ診断が決められず、原因もはっきりしていません。

しかし口腔ケアを行うことで、認知症のリスクが1.9倍下がることがわかっています。

今回は高齢者の口腔環境について解説しました。

 

カラダの機能が衰えることにより、口腔機能の低下や自浄作用の低下が起こります。

また、口腔トラブルに関連した病気も併発する恐れがあります。

 

高齢者に特有の症状を理解して、適切な治療を行うことはとても大切です。

当院では口腔機能検査を65歳以上の患者さんに検査を定期的にさせていただいて

おります。また訪問歯科もしていますので、いつでもご相談くださいね。

人生100年時代と言われていますので、いつまでも健康を保つことが大切になりますので、

お口の中は様々な病気の原因になっています。

定期的なクリーニングをしていき、お口の中の健康にできるようにしましょう!

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