電動歯ブラシってどうなの?|三重県松阪市の歯医者「医療法人もみの木歯科」

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電動歯ブラシってどうなの?

医療法人もみの木歯科 院長 村田幸一朗 監修


患者様と歯肉炎や歯周炎のお話をしていると、

「電動歯ブラシと普通の歯ブラシどっちがいいんですか?」

と患者様からよくご質問をいただきます。

電動歯ブラシって実際どうなの?」

高い電動歯ブラシが気になる」

最近の電動歯ブラシって良いの?」

高機能電動歯ブラシって何?」

電動歯ブラシと言えば、、、

音波式とか超高速とか、

価格が2万円以上の物もありますね!

「高いけど、本当にいい物なの?」と思うと、

なかなか手が出せませんよね。

でももし、簡単に汚れが落ちるなら電動歯ブラシも気になる、、、

同じようなお悩みの患者様も多くおられると思います。


正直なところ、電動歯ブラシは高機能で良い商品もあります。しかし、

思ったよりも使い方を間違っておられる方が多いのです。

電動歯ブラシ愛用者の患者様の口腔内を拝見していると、

個人差はありますが、意外に磨き残しがある印象を受けます。

実際に、「最近2万円の電動歯ブラシを買ってからは、自分でも、だいぶ磨けていると思う。」

とおっしゃっておられた患者様のプラークスコアを見ると100%に近い汚れが残っていた!なんてことも。

まぁ、稀なケースかもしれませんが、、、

何にせよ、良い商品を使ったからと言って、過信は禁物です。

電動歯ブラシを使っても、

歯と歯の間など、普通の歯ブラシでも磨きにくい所は、

やはり糸ようじ(フロス)や歯間ブラシなどの補助用具を使うのも大切なです!これは鉄板です。


ところで、なぜ高性能なのに汚れが落ちていないのでしょうか?

電動歯ブラシの使い方にありがちな間違った使い方を調べてみました。

間違いポイントが4つあります

①力入れすぎ!

磨く際に、歯ブラシを歯に押し付けすぎの力任せの方。

歯ブラシの毛先はブラシ圧が強すぎるとすぐ毛先が傷んで、プラーク除去率の低下を招きます。

また、柔らかい歯茎が傷んだり、歯もすり減ってしまうなどダメージを与えてしまうので要注意です。

また、ブラシのスムーズな動きを阻害しているケースも。

②ブラシの形状サイズが合っていない!

毛先が開いているのに使い続けている!

汚れが落としにくい形状の物を使い続けていると、どうしても残りやすい部分に汚れがが残ってしまいます。

メーカーによっては、さまざまなタイプの付け替え用ブラシがありますので、

付属の物に固執せず、ぜひご自身の歯に合った歯ブラシを試してみてください。

※電動歯ブラシは高価だからと言って毛先が開いたり、くたびれてしまった歯ブラシヘッドを

交換しないまま使い続けていると、せっかく磨いていても機能を十分に発揮できないです。

※メーカー推奨の交換時期を守ってください。商品によってはブラシの色が変わって、交換時期がわかる物もあります。

(例)交換目安3~4か月など、説明書にちゃんと書いてあります。

ぜひもったいないと思わず、せっかくの電動歯ブラシの機能を発揮させてあげてください!

③動かし方が間違っている!

電動歯ブラシは3タイプに分けられます

⒈超音波式 120万回/分以上振動(超微細・非常に多い振動・見た目に振動がわかりにくい)
⒉音波式 2~4万回/分振動
⒊その他の振動式 3~7千回/分振動(振動が少ない)

この3タイプの中で、タイプによって歯ブラシのように手を動かしては、汚れが落ちないものがあります

⒈超音波式と⒊その他振動式は歯ブラシを扱うように、手で動かさないと汚れがうまく落ちません。

⒉の音波式は、手磨きのように手を動かしてしまうと上手く汚れが落ちないそうなんです!歯に沿って動かすだけ。

これらの商品の特徴によって、ご自身の手の動かし方もマッチしていないといけないんですね!

④そもそも当たっていない!

歯ブラシが動いてくれるからと思って、過信しすぎているとダメなんです。

自分から歯の1本1本に合わせて歯ブラシを適正に当てに行くことができていないと、落とす力があっても意味がないんです。

☆歯と歯ぐきの境目・・・歯と歯ぐきに対して45°にあてる。
☆奥歯の一番奥の面・・・歯の奥側まで毛先が届くように。
☆噛む面の溝・・・垂直に当てる。押し付けすぎ注意!
☆歯の裏側・・・見えにくい裏側こそ磨き残しが多いので注意!

●前歯は歯ブラシの形状によって、縦磨きの方が磨きやすい。

●歯ブラシの毛先つま先を使って歯ぐきの境目もしっかり磨きましょう。

●しっかりと鏡を見ながら、磨けているか確認しながらやってみてください!

●もし、磨けているか心配な場合は、磨き残しの染め出し液(市販の物や当院にも、イチゴ味の物などあります。)を使って、

効果のほどを試してみたり、歯科衛生士さんに歯磨き指導を受けてみたりして、適正に磨けているか確認してもらうのも良いですね!

当院でも、ご愛用の電動歯ブラシをご持参いただきご指導させていただく場合があります。

外部リンク:ハミガキ上手

外部リンク:ソニッケアーの磨き方の説明など図を参照されるとよいかもしれません


その他それぞれのメーカーの機種の特徴や機能!多種多様!

音波水流・・・ブラシの振動から起こる水流によるプラーク除去力UP
メーカーさんの説明によると水の中で振動すると10mmほどの水流が
発生するとのことで、歯と歯の間の汚れに届きやすくするようです。
事前にお口の中をゆすいだり、歯ブラシを濡らしたり、唾液などの水気を含んだ状態で磨けるようにしてみてください。
加圧防止センサー・・・ブラシの当てすぎを振動や光りなどで教えてくれる。
磨き時間タイマー・・・磨き時間をタイマーで教えてくれる
スマホのアプリと連携・・・Bluetoothでスマホのアプリと連携し、歯みがき習慣のお助けをしてくれたり、楽しめる機能。


電動歯ブラシのメリット
・手では動かせない振動や音波でバイオフィルムという汚れのねばつき(バイ菌同士の絡み合った膜)を機械的に破壊して除去しやすくしてくれる。
・手では時間がかかる小刻みな歯ブラシの往復運動の時間を短縮することができる。
・使用の仕方によっては、手を上手く動かせない方や、高齢者の方やお子さんなど助けになってくれる。

電動歯ブラシのデメリット
・価格自体が高価である・交換のブラシも高め(近くで買えない場合や販売終了もある)
・電化製品なので電池や充電が必要・壊れる可能性もある
・多少の重さがある
・コンパクト化しているが、高機能な物は持ち運びがしにくい物もある
・市販の歯ブラシほど毛先の種類は豊富に選べない・メーカーによって互換性がない
・特徴にあった使い方をしないと、効果を発揮しきれないし、落ちていると過信しやすい。
・物によっては、飛び散ったりして口を開けて磨くことがしにくいので、鏡を見ながら磨きにくい。

まずは購入前にいっぱい調べて、ご自身にぴったり合うかどうか、じっくりご検討してみてください。

私たちもすべての商品を手にして勉強している訳ではありませんから、

もしお使いになってみて、良い商品がありましたら、ぜひ私たちにも教えていただけたら幸いです^^

参考文献:nico2017年12月号

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