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スタッフブログ
医療法人もみの木歯科 院長 村田幸一朗 監修
もみの木歯科衛生士の小林です(^O^)
前回のブログでは口腔機能低下症とはどういう病気か、
またどういった項目で判断をしているのかをお伝えさせて
頂きました。
今回は各項目で基準値未満だった項目に対してのトレーニング方法についてお話ししていきます。
1.口腔衛生状態不良
お口の中を清潔に保つことで美味しくお食事をとることが
できます。
舌の味蕾が味覚をつかさどる細胞なのですが、舌が汚れていると味覚が低下してしまいます。
歯磨きはもちろんのこと、舌の上を清潔にすることで口臭対策に加え美味しくお食事を取れるようになるのでとても重要です。
○舌のお掃除をしましょう
・舌ブラシの使い方
一ヶ月に一度は交換しましょう。
水で湿らせて舌を思い切り前に出し、舌の表面を奥から手前
というような動きで掻き出して下さい(強い力で磨かない)
(一日最低一回は歯磨き時に一緒に行うと良いでしょう)
嘔吐反射がある方は思いきり舌を前に出して行って下さい
お口の中が乾燥している方は保湿ジェルを舌ブラシにつけると
良いですよ^ ^
※磨きすぎ注意
○お口の中のケア
1.食前や朝起きてすぐ舌ケアをする
2.出来るだけこまめに水分を取る
3.一日一回舌ブラシで舌苔を取る
2.口腔乾燥
高齢者は様々な全身の病気や服用薬の副作用によってお口の中が
乾燥する事があります。
特に冬場は空気の乾燥により健康な方でも喉やお口の中が乾く事が
多いので注意しましょう。
○口腔乾燥予防
・保湿剤の使用
市販されている保湿剤を使用します。
主に、スプレータイプ、ジェルタイプ、リキッドタイプの
3種類です。
使い分けについては以下を参考いただき、ご自身の状態や
ライフスタイルに応じて適切なものを選択
してください。
・唾液腺マッサージ
ご自身で手軽にできる唾液分泌を促すためのマッサージです。
唾液が多いと食べ物が口の中でまとまり、飲み込みやすく
なります。
3.咬合力低下
咬む力が弱くなると、歯ごたえのある食べ物を避けてしまい、
柔らかいもの中心の食生活になってしまいます。
歯ごたえのあるものを摂取しなくなると咬む力低下して
しまうのに加え、偏食傾向に陥ってしまうため栄養バランスも
悪くなります。
○咬む力を鍛えましょう
①グミ等を使った運動
一般のグミでも良いがビタミンやカルシウムなどが摂取できる
機能性グミゼリーなども活用出来ます
唾液分泌量の増加を期待したチューイングガムも良いでしょう
(うるおいレモン、歯につきにくいガム、ロッテ)
②カチカチ運動
(1)奥歯を上下に咬み合わせます
(2)軽くカチカチと咬み合わせましょう
10秒間繰り返し休憩を挟みましょう
繰り返す
カチカチ
4.舌口唇運動機能低下
加齢や病気が原因となり、脳神経系の機能やお口の周りの筋肉の
機能低下が生じた結果、舌や口唇の運動において速さ・動かせる
範囲・功緻性などが低下してしまいます。
発音訓練で滑舌よく発音したり、なるべく早く発音する訓練を
組み合わせて行うことで滑舌の向上に繋がります。
○発音訓練
①パタカ運動
パッパッパッと一文字ずつ滑舌よく発音する訓練とパパパと早く
発音する訓練をしましょう。
1日3回食前に10回ずつ行いましょう
パの発音 口唇の動き
タの発音 舌の前方の動き
カの発音 舌の後方の動き
(パ)口唇を閉じる
(タ)上顎に舌の先をつける
(カ)上顎の先に舌の付け根付近をつける
②あいうべ体操
声は大きく出さなくて大丈夫です。
口の周りの筋肉を大きく動かすイメージで行いましょう。
5.低舌圧
低舌圧とは飲みこみ等の機能時に十分な舌の力を発揮することが
出来なくなった状態をいいます。
低舌圧が進行すると噛んだり飲みこみの際に支障をきたし、
十分な栄養摂取が出来なくなってしまう可能性があります。
○舌の筋トレ
①スプーンやアイスの棒を用いた筋トレ
スプーン又はアイスの棒をを舌に押し当てそれに抵抗するように
舌に力を入れます。これを繰り返します。
まずは行いやすい方向から始めます。
慣れてきたら上下・前後・左右方向など少しずつ訓練を行う
方向増やしていきます。
②舌回し
舌の動きがよくなると唾液も出やすくなり、飲みこみが
スムーズになります。
(1)舌を前に (2)出した舌を左右 (3)舌で唇をゆっくり
出す(3回) に動かす(各3回) なめます(3回)
③舌の訓練
舌の先で頬の内側を押して、頬の外側から人差し指で頬を
押します。左右3回ほど繰り返し行います。
④ポッピング
(1)舌全体を上顎に押し付けた状態で口を開ける
(2)この状態でポンッと音を鳴らす
6.咀嚼機能低下予防
加齢や健康状態、口腔内環境が悪化すると食べこぼしが増え
飲みこみ時にむせるようになります。
お口の周りの筋力や舌の運動能力が低下すると噛めない食品が
徐々に増え、食品摂取の多様性が低下してしまいます。
嚙むための筋肉を鍛えることで誤嚥を予防し、機能の向上に
繋がります。
○訓練
①首の体操 飲み込む力を鍛える
ゆっくり後ろを 耳が肩につく 首を左右にゆっくりと
振り返る ようにゆっくりと 1回ずつまわす
左右ともに行う 首を左右に倒す
②あーんーの体操
1)出来るだけ大きく口を開ける
(2)舌を上顎に押し付け奥歯を噛み締めて声を出しましょう
①→②×3回行ってください
③ガム噛みトレーニング
交互に片側20回ずつ、力を入れて噛むことを意識して
1回のガム噛みに1秒ほどかける
(2)20回噛んだあとにおおげさに顔面の表情筋や舌をつかって
反対側へガムを移動させて、さらに20回噛む。
片側3セット(20回×3=60回)ずつ合計120回噛んだ後
ガムを捨てる
(3)1日3回 朝、昼、晩 できれば食前に実施
7.嚥下機能低下(飲み込む働き)
加齢による摂食・嚥下機能の低下から始まり、明らかな障害を
呈する前段階での機能不全を有する状態を指します。
○訓練
①嚥下体操
(1)口をすぼめた状態で深呼吸する
(2)首をゆっくり回し、肩を上下に動かす
(3)頬を膨らます、引っ込める動きを繰り返す
(4)舌を前後、上下左右に動かす
『ぱ』『た』『か』を大きく口を開けて発音する
②頭部挙上訓練
仰向けに寝た状態から肩は床につけたままつま先をみるように
頭だけ持ち上げる
以上7項目のうち3項目以上該当する場合は口腔機能低下症と診断し、訓練が必要になります。
当院では70歳以上の方を対象に口腔機能検査を行っております。
分からないことなどあればお気軽にスタッフまでお声掛けください。
次回は口腔機能検査の検査方法についてお伝えしていきます。
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